マンション管理会社交替・委託管理費6割削減までの道のり

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8.最終選考会


最終選考会は多くの住民に声をかけて、近所のD会館にて12月中旬に大々的に開催した。
出席者はCIPのK氏以外はマンションの住人が17名。内理事会のメンバーは7名中6名が出席した。これまでCIPが手がけた最終選考会のなかでも出席者は最多だったらしい。
最終選考会では午前中に専門会社3社(エレベータ保守2社、機械式駐車場1社)から話を聞いた。エレベータは、現在メーカーのT社が保守を行っており、従来通りT社に任すのか、独立系のT昇降機に変更するのがが焦点だった。
最終選考会の2週間前にタイムリーなことに、T社製のエレベータを保守しているT昇降機が新聞に乗るような事故を発生させていた。プレゼン後のT昇降機に対する質問ではメーカーに比べて独立系の利点は何かを出席者が聞いた。
T昇降機は

「T社と比較されたら、価格以外の長所は特にありません。」

との回答だったので、区分所有者からT昇降機に任せるのは不安だという意見があがった。採決の前に出席者の1人がT社の社員であると名乗りでたので、出席者の多くが地震や災害時の緊急対応はその社員に任せられるのではとの機運になり、安心感を取りほぼ全員がT社に挙手した。 機械式駐車場保守は現在の保守会社であるメーカー系のT社は呼ばず、T社より年間30万円割安な数人が従事しているにすぎない独立系のA社から話を聞いた。プレゼン後に私は技術面で多少知識のあるN理事、M理事からA社なら任せても大丈夫だとの感想を聞いた。結局、採決ではA社が選ばれた。

最終選考会の午後の部は、総合管理会社4社のプレゼンとヒアリングが行われた。
トップバッターは現管理会社のH社だった。H社はプレゼンでは、私が要求した改善して欲しいところについては何も触れず会社概要の説明のみだった。
プレゼン後に私が

「荒れた植栽は、貴社にも責任の一端があるのではないか」

と問い質したところ、やっと謝る始末だった。
私はH社に任せても何も改善されないと考え、最終選考ではH社に投票しないことを心に決めた。その後に3社のプレゼンが行われた。
商社系のI社は本社責任者を始め営業担当、フロント担当に覇気がなく、H社よりプレゼンでは劣っていた。
独立系のN社は、マンションの掲示板は定期的に必ず新しいものに更新しているとプレゼンで言っていたが、理事会で実施した事前視察では掲示板が古くはがれかけていたり清掃が不充分だったり、フロント担当が巡回指導しているとは到底思えなかった。私はN社の資質を疑い、この後の選考会では出席者にこの事実を伝えようと思った。
D社はフロント担当とその上司が頼りになると感じたし、当マンションに欠けているコミュニティ作りのなかでマナーを改善していくことを提案したので、私はここに投票しようと思った。

最終選考会は、プレゼン後の夕方に行われた。
投票前に出席者同士で議論をしたが、この時に私はN社の事前視察の結果を報告した。他の3社については、個人的には順位をつけていたが、後々私が薦めたからと言われるのは嫌なので、どこを選んでも似たようなものだろうと言った。
他の出席者からの意見は、I理事長がD社は親会社がH社と同じゼネコンなので、H社の二の舞になると主張した。また、理事以外の出席者から何を基準に決めたらよいのかとの質問あり、CIPのK氏からフロント担当の力量で判断したら良い旨のアドバイスがあった。投票は総合管理会社4社について、出席者17名の無記名投票で行われた。一回目の投票ではH社7票、D社5票、I社4票、N社1票でどこも過半数に満たなかったので、上位2社の決戦投票を行うことになった。決戦投票では、D社9票、H社8票と僅か1票差でD社に決まったのだった。

〔2009年5月27日 更新〕

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